Now OR Never

韓国ミュージカル日記

2018年11月 狂炎ソナタ/광염소나타 (Sonata of a flame)


☆11.15@大阪(真中の段上りM列センター右)

J リョウク、S ケン、K イスングン

☆11.23@東京(最前E列、中央ピアノ前)

J リョウク、S キムジチョル、K イジフン


韓国公演はタイミング合わず友人から話だけ聞いて再演を待っていた作品。

まさか日本で、リョウクで観れるなんて。

韓国公演は1990年代設定(今回は1978年)、またセット、衣装、他設定に変更があったようですが'音楽'という最高の効果は変わらず。

大好きな作品になりました(^^)

台本を読み込んだ作品は久しぶりでした。

再演も待たれますが、今回のキャストのCDが欲しいです

あらすじは最後に載せました


作品について

愛(対芸術、才能、音楽、人)、悲しみ痛み高揚憧れ焦燥妬み怒り、希望と絶望、生と死

人が生きる中で抱くものを3人の演者に凝縮させた100分の作品でした。

音楽が本当に美しく、演者が弾くピアノが時に台詞歌以上に雄弁に語るのも素晴らしい。

キャストや演出、また観客ごと解釈や印象が変わる作品。ピアノが弾ける俳優さんの方が説得力はあるかと。

Kと出会い抗えなかった事、Sへの愛憎、根底にある音楽への愛と希求が他を凌駕した事がJの悲劇であると思いました。

K俳優の位置取りウェイトにもよりますが、基本的にはJS、そしてKの物語。

Kは人間のエゴと狂気、純粋な芸術への希求を示す。Sは愛。優しさと正義感。無邪気さと無神経さ。Jは弱さと孤独、純粋さ。

いずれも凝縮、デフォルメされている。

そんな印象を持ちました。


*第一楽章

https://youtu.be/0hRV3VQWcjM

*第三楽章

https://youtu.be/2B__urRweIg

SJの連弾 '色褪せないように'

https://youtu.be/gp-YgAkP2Og (ムンテウ、キムジチョル版)

https://youtu.be/sWdV5Tp8oNk

(リョウク、ケンの練習ライブ)

リョウクとケンが微笑ましくてリピ

第一、第三はSが推しのキムギョンス様


キャスト所感

●K イソングン、イジフン

ソングンKはオリジナルキャストでもあり、深く壮大な歌声もあいまって、本公演のタイトルロール体現で素晴らしかったです。

音楽に取り憑かれたマエストロ。ソングンKにとってはJSも音楽の為の楽譜であり楽器であるような。強い圧でJの背中を押し追いたてる。JSKの腕の中でもがく。一言でいうとどストライクでしたw

ジフンKはソングンKほどの重さはなく、芸術家というよりは元スターだった野心ある音楽家。音楽への希求度は強く感じませんでした。モテそう← Jの手を引きそそのかす感じ。その分JSの関係により焦点が合った印象でした。

お二人ともさすがの演技、歌でしっかり枠を作り支えてくれ、作品に没頭できました。


●S ケン、キムジチョル

ケン:Jの横に座り肩を抱きながら顔を覗き込むようなS。優しいがKY気味。お坊ちゃん育ち感。

”もし~なら=みょ~⤴️ん”と愛嬌あり。”音楽にインスピレーションが何で必要だ?” 

🎹訥々ゆっくり。Jと音楽に打ち込むのが幸せ。話す時は弾くのをやめJを見ながら。なぜJが自分から離れたか理解出来ない。もどかしい。

スングンKにはやるせない怒りと理解出来ない恐れ。

ジチョル:Jを斜め後ろからじっと見つめ手を引く守護者。Jあってこその音楽。眼差しや言葉にJを求める苦しさ、切なさ滲む。”音楽にインスピレーションが必要なのか?” Jが答えにつまると”ん?どした?”とJの様子を伺う。

🎹は踊るよう。話しながら弾く。リョウクJとの連弾は2人の音色で気持ちが全て伝わる素晴らしい演奏でした。ジフンKには軽蔑と憎しみ。

Jへの優しさと愛情は共通ながら、実年齢や持ち味の違いからか印象は結構異なりました。また韓国版Sは楽譜がかけず、Jに書き起こしてもらっていたそうで、Jへの想いが複雑化します。日本版はその言及がない分、より純粋で健全なS像になったように思います。

どちらもリョウクJの第4楽章を聴いて(Jの中の幻影Sですが)、ケンS'新しい曲?わぁさすが、いいね!' ジチョS'いいね、新しい曲か?'と後ろからJに声を掛けバックハグしながら'完成したら僕(ジチョは俺)に一番に聴かせろよ、な?'と微笑む場面で号泣。


●J リョウク

不安定であやうい。儚く世間離れな雰囲気。

一番は、本人もインタビューや大阪初日挨拶で言っていたように、殺人をおかすまでの深い音楽への愛と希求を感じました。

対照的に人に向き合う気持ちや力は弱い。私はいつもリョウクJが独り言を言ってるように感じました。唯一Sとの連弾時だけSを見て感じていたような。

その分歌とピアノで心情を語ります。

特に、最初の殺人後に歌う(ラストにSもリプライズする)”死の顔”は天使の微笑みで優しく歌う姿に感動すら覚え、その後の無表情にはぞくっとしました。

どうしたらJが悲劇を辿らずにすんだのか正直私はイメージ出来ませんでした。それ位音楽を掴もうと苦しむ姿にシンクロし、私的にはリョウクJだからより作品に入り込めたと思います。

余談ですが大阪公演では連弾時にめちゃケンくんを覗き込んで'大丈夫ヒョンがついてるよ~'て素が出てたのと、東京公演ではジチョルさんがカテコ最後までリョウクの手を繋いだままで、ジフンさんとリョウクがニコニコ(ニヤニヤ)してたのも微笑ましたかったです^^ 

東京は最前だったのでジチョルさんとリョウクの手繋ぎ目の前で特に萌えました

またリョウクJ、そして他のJも観たいです!


あらすじ

SKの対峙から始まる悲しい物語

19歳で音楽賞を獲得して以来、思うように作曲できず悩むJ

幼馴染Sの元を離れ高名な音楽家Kの元へ行くも、'死の瞳'曲は酷評される。

憔悴したJは飲酒運転の上人をはねてしまう。

しかしその強烈な体験で、Jは一晩で第一楽章を書きあげ、Kの激賞を受ける。

'犠牲なしに何も成し遂げられない' Sの言葉に自ら殺人者となり第二楽章を完成させるJ

自身も作曲に行き詰まりJの曲を盗作しようとしていたKJの作曲背景を知ると、芸術の為ならとJを連続殺人に追い立てる。

連続殺人を犯しぎら第三楽章を書き崩壊していくJ

Kは第四楽章の為に、最も大切で刺激になる者、Sを殺せと命じる。

Jに呼ばれるSJがいなければ自分は作曲できない、帰ろうと訴えるSに、最後にピアノを聴かせてほしいと言うJ

ひと時連弾し、昔に帰ったかに見えた2人。

しかしJは、Sの曲を盗作し受賞した事、自己嫌悪や惨めな心情を吐露。'君はもう僕のインスピレーションにならない'と突き放す。

'音楽にインスピレーションが必要か?'Sの言葉に逆上し、Sを刺し首を締めるJ

明け方、第四楽章が完成する。

命を差し出しても、とJへ最後の第五楽章完成をせまるK

Jは自ら炎の中でピアノを弾きながらソナタを完成させる。

再び時がすすみ対峙するSKJSを殺す事は出来なかった。

SKに憎悪を向けるが殺さず逮捕させる。

この音楽がどう評価されるか楽しみだ、と出ていくK

'お前も音楽になりたかったのか?'

Jの遺した'死の顔'を弾くS

Jが微笑みながらSに歩み寄り向き合う2

そして'君と僕'を連弾